酒蔵ツーリズムの秘訣〜パ酒ポート新潟版誕生〜

2018/03/08 [新潟県]
コラムニスト: 森田真依


昨今、日本酒への見方が大きく変化し、インバウンドの増加とともに酒蔵ツアーへの期待値も高まっています。「酒蔵」という未知の空間に足を踏み入れられるだけではなく、普段かぐことのできない香りに出会え、蔵のひんやりとした空気感を感じ、試飲もでき、文字通り五感を使って楽しむことができる大人の社会科見学です。

また、旅行業界でも団体ツアー中心だった時代から大きく変化し、個人旅行への需要が大幅に上がってきています。様々な条件が重なり、酒蔵ツアーが脚光を浴びる時代になってきました。

私は初代ミス日本酒として日本酒の世界に入ったのですが、生まれて初めて訪れた酒蔵の張り詰めた空気や香りは今でも鮮明に心に残っています。

現在ではJTBの観光プロモーターとして、「旅と日本酒」をテーマに活動を行なう中、その活動の一環で新潟県との取り組みのひとつ「パ酒ポート新潟版」の監修をさせていただきました。

新潟県は全国でも蔵の数No.1。

しかし意外にも見学できる蔵はそう多くなく、サイト内でまとめられている酒蔵をチェックして訪れるといった動きが多かったようですが、それだけでは旅行のツールとしては少し弱いように感じます。

パ酒ポートは一冊の本に見学可能な酒蔵がまとめられており、スタンプを増やしていけゲーム感覚で集められます。

 

酒蔵ツアーを成功させる秘訣のひとつに「醸造業界の壁をやぶる」必要があります。つまり、日本酒蔵だけでムーブメントを起こそうとしても相当な時間と労力を要します。

大切なのは日本酒蔵を超え、クラフトビールやワイナリーなどと手を携え共に「醸造ツアー」というカテゴリーを構築していくことです。

お酒好きはお酒の種類を跨いで楽しむ方が多く、日本酒のみならず同様にビールやワインも嗜みます。そのため、組合単位の日本酒という枠だけではなく地域という繋がりを大切にし、人の流れを一緒に作っていく必要があります。

 

パ酒ポート新潟版では、清酒・ビール・ワインの醸造所にご協力いただきスタンプラリーツアーを構築しました。制作を進めるにあたり、それぞれの業界の動きや考え方が違う部分も多々ありましたがどの醸造所も清酒・ビール・ワインの「異業種」が集約されているという部分に魅力を感じていただけたのが印象的でした。

 

私が驚いたのは、新潟県は意外にもワインの名産地だということ。日本最古のワイン蔵も新潟県にありました。

このように、私のような日本酒好きの人間も醸造業界の壁を破ることで新たな発見と喜び、楽しみがうまれました。

このような体験をひとりでも多くの方に感じていただき、他醸造所の魅力とともに日本酒蔵の魅力をより多く感じてもらえたらと思います。

パ酒ポート新潟版を片手に新潟を訪れるときっとまた違った魅力を感じていただけましたら幸いです。