五感で感じる歴史ある酒蔵の魅力 秋田県大仙市・鈴木酒造店

2018/11/16 [秋田県]
コラムニスト: 日本酒蔵ツーリズム推進協議会

鈴木酒造店(秋田県大仙市)は、武家屋敷の町並みが残る小京都「角館」や、瑠璃色の水を湛えた日本最深の湖「田沢湖」といった秋田の有名な観光地からも近い場所にある、創業三百二十余年の歴史を持つ酒蔵です。

代表銘柄である「秀よし」の由来は、嘉永時代までさかのぼります。当時の酒銘は「初嵐」でしたが、秋田藩主佐竹候が藩内の銘酒を集めて酒競べを行った際、従来の御用酒よりも優るものであると激賞され、「秀でで良し」の意味を込めて「ひでよし」の名を拝命されたとのことです。

そんな歴史ある鈴木酒造店では、一年を通して酒蔵観光を受け付けております。事前に電話での予約が必要ですが、酒蔵観光の情報を地元の方から教えてもらって訪れる個人旅行者もいらっしゃるようで、角館・田沢湖エリアの観光資源の一つとして人気のスポットとなっているようです。

鈴木酒造店の酒蔵観光で大きな魅力となっているのは、「五感で感じる酒蔵」と「歴史とストーリーのある酒蔵」であるという点です。

取材に伺った日はちょうど前日から仕込みがはじまったばかりで、酒米を洗う作業を近くで見学させて頂くことができました。実際に酒造りが行われている酒蔵の中を丁寧に説明してもらいながら見学ができ、まさに五感の全てで酒蔵を感じる体験ができます。インバウンド観光客には、アメリカ出身の社員の方が独自に作成されたパネルを使用して案内を行っておられるとのことで、国内外の観光客が酒蔵をじっくりと楽しめるようになっております。

また、蔵内には19代続く鈴木家の所蔵品を納めた『文庫蔵』も併設されています。そこには、酒造りについて記された古文書「元禄時代以来酒造伝記録」や古美術が多数所蔵されており、「後陽成天皇のご宸筆」や「織田信長から佐竹北家が論功行賞により拝領した兜」などがあって、歴史好きな方にはたまらないストーリーがたくさんあります。

このような魅力を存分に活かした観光酒蔵の取り組みを行うにあたって、どのような経緯があったのかも伺ってみました。そのきっかけは、1997年(平成9年)に秋田新幹線が開通したこと。人の流れが大きく変わるこの出来事を100年に1度のチャンスと捉え、観光酒蔵を目指す方針へとシフトしていったそうです。以来、「酒造り」と「食品生産」に加え、「観光」を経営の柱の一つとされており、社員全員で観光客を受け入れていく体制作りを行っておられます。

また、ゆくゆくは「飲食」にも取り組んでいきたいとのことで、現在でも毎年9月には期間限定のこだわりのラーメン屋を開かれており、お客様に大変好評だということです。

 酒造りの現場を五感で感じ、酒蔵の歴史とストーリーを知り、そこで培われたお酒を味わう。そうした魅力あるコンテンツの全てを堪能できるだけでなく、出迎えてくださる酒蔵の皆様全員が「観光」を大切な柱と考えておられるからこそ、訪れた方々の心に伝わるものがあります。そこには「酒蔵ツーリズム」の目指すべき形の一つがあるように感じられました。

 角館から訪れる場合は、田沢湖線で羽後長野駅下車7分、路線バスでは「中仙局前」バス停で下車するとすぐの場所にあります。ぜひ鈴木酒造店に訪れ、歴史ある酒蔵の魅力とそこで造られるお酒の味わいを存分に体感して頂きたいと思います。

合名会社 鈴木酒造店

住所:秋田県大仙市長野字二日町九

サイト:https://www.hideyoshi.co.jp/

<酒蔵観光について>

ご予約・お問い合わせ:0187-56-2121(代表)

期間:一年を通じて見学ができます。※休業日は公式サイトをご確認ください。

営業時間:午前/9:00〜12:00 午後/13:00〜16:00

予約:事前にお電話にて予約をお願いします。(当日も可)

※ご予約の際に代表者の携帯電話を伺います。

休業日:12月31日〜1月3日